ここ数年、夏場の異常な暑さによって、多くの人々が熱中症に悩まされている。とくに子どもは体力が乏しいだけに、しっかりとした予防が必要。エアコンによる温度コントロールは至上命題だ。しかし、子どもたちが多くの時間を費やす学びの場、学校には驚くほどエアコンが整備されていない。本記事では、学校の空調の「今」を紹介するとともに、知ってそうで知らない業務用エアコンの特徴、抑えておきたいチェックポイントを解説する。
INDEX
- Point 1 電気かガスか
- Point 2 「外気温の対応範囲」という物差し
- Point 3 教室ゆえの課題「温度のムラ」
- Point 4 換気を同時に行うための術
- Point 5 「一括管理」という見逃せない魅力
- Point 6 スペースの有効活用
下記の図を見て欲しい。現在の公立学校におけるエアコンの導入状況だ。

公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況の結果について
熱中症が危惧されている中、子どもたちが安心して学べる環境づくりは、整備しなければならない重要課題だ。
また、別の観点で言えば、快適な空調環境を整備すれば子どもたちの集中力が高まるという検証結果も出ており、学力向上にも貢献することが明らかになっている。

出典:文部科学省ホームページ
教育環境改善に関する調査 空調設置による教育効果
では、こうしたエアコン整備において、幾多あるエアコンの中から、どのようなポイントから選べばいいのか、そのポイントを探ってみよう。
Point 1
電気かガスか
意外と知られていないが、空調には電気で動くタイプとガスタイプの2種類に分けられる。では、どちらがいいのか。これはユーザーの設置環境によっても異なるが、以下の点で、電気は優位性が高い。
その理由は主に3つ。1つ目は万一の災害時の対応。電気はガスに比べて復旧が早い場合が多いからである。

出典:東日本大震災におけるライフライン復旧概況
ライフラインの地震時相互連関を考慮した都市機能防護戦略に関する研究小委員会
2つ目はメンテナンス。電気タイプはガスに比べて定期メンテナンスのサイクルが長く、コストと手間を抑えることができる。そして3つ目が大気汚染や酸性雨、地球温暖化の原因となる窒素酸化物(NOx)を稼働時には排出しないので環境負荷が小さい。
では、電気タイプにおいて気をつけるべきことは何か。それを探ってみよう。
Point 2
「外気温の対応範囲」という物差し
冷房では、外気温35度での冷房能力が定格冷房能力とJIS(日本工業規格)で定められている。通常、冷房能力は外気温が上がるにつれて下がる傾向にある。外気温35度を超える猛暑はもはや珍しくなくなってきている。ひとくちにエアコンといっても、その性能は定格冷房能力だけをみても分からない。そこで、外気温は何度まで対応しているかもチェックしておく必要がある。
Point 3
教室ゆえの課題「温度のムラ」
「教室」での活用を意識したチェックポイントがある。冷やしすぎという問題である。
一般に空気は、暖かい空気は上部に、冷たい空気は下部にたまる性質がある。お風呂にためたお湯をイメージすると分かりやすい。通常エアコンは、天井近くに設置されたエアコン本体の温度センサーで検知した室温をもとに空調を行うので、生徒がいる床面近くの温度を測ることはできない。
つまり、生徒がいる床面近くの室温が設定温度に達していたとしても、エアコンは天井近くの暖かい空気をもとに教室内が暑いと判断して、冷房し続けてしまう。すると、冷やしすぎという問題が起きてしまうのである。ムダな電力を使って学習環境を損ねてしまっては、本末転倒である。
そこを意識したのが三菱電機の「ムーブアイ」である。「ムーブアイ」は生徒がいる位置に近い教室の床や壁の温度をセンサーによって感知し、人が感じる温度(体感温度)を計算して空調を行うことができる。この機能では、ムダに冷やしすぎることがないので、快適性の向上はもちろん、ムダな電力コスト削減にもつながる。




Point 4
換気を同時に行うための術
意外に知られていないかもしれないが、エアコンは室内機と室外機を通じて中と外をつないでいるが、多くの空調機は温度を温めたり冷やしたりするための機器で、換気をしているわけではない。基本的に、中の空気を閉じ込めており、二酸化炭素濃度が上がるリスクがある。そのため、定期的な換気が必要で換気扇の併用が必要だ。
「学校保健安全法」第6条1項の規定に基づき定められた「学校環境衛生基準」によれば、教室内の二酸化炭素濃度を1,500ppm(0.15%)以下に保つことが求められており、確実な換気は絶対に必要だ。
ただ、通常の換気扇を導入すると、せっかくエアコンで冷やしたり、暖めたりした温度や適正な湿度が元に戻ってしまうマイナス点がある。
Point 5
「一括管理」という見逃せない魅力
教室での導入を考えた場合、意識しなければならないポイントが「大量に導入する」ということ。基本的に一教室に一台導入するため、教室ごとにエアコンを導入する。それはつまり温度調節を行うリモコンが一教室に一台あるということ。
個別に温度設定したい時は便利だが、一台ごとに設定をしなければならず、また子どもが集まる場所だけに誤操作の可能性もある。消し忘れ、過剰な温度設定による電力のムダ使いも考えられるだろう。そうした場合、便利になるのが複数台のエアコンを一括管理できるコントロールパネル。
Point 6
スペースの有効活用
最後は、スペースのない場所でエアコンを設置しなければならない場合の解決策。一般的には1教室につき、室内機1つと室外機が1つ必要となるが、各教室にベランダが無いなど学校の立地的な問題によって室外機が設置できない場合もある。
そうした場合の解決策も三菱電機は用意している。マルチエアコンというタイプで、1台で複数台の室内機に対応、複数の教室を冷やしたり暖めたりすることができる。例えば、ベランダに室外機を吊すスペースがない場合でも、学校屋上などにマルチエアコンを設置し、各教室には室外機を設置しないといったことが可能になるのだ。

1台で複数台の室内機に対応可能。
これら6つが、学校およびビルなど業務用エアコンの設置においてチェックしておきたいポイントで、かつ三菱電機の優位性といえる。三菱電機の優位性はそれだけではない、こうしたプロダクトとしての強みだけでなく、導入に向けたサポート体制の充実もある。
小規模であっても業務用エアコンを導入するには、多額の初期投資がかかり、それが導入の足かせになるケースも多いだろう。三菱電機は販売だけでなく、グループ会社の三菱電機クレジットを通じてリースでの提供
も行っており、初期投資を抑えながら導入できる仕組みも用意している。
エアコンの高品質と多機能、換気扇との組み合わせ、そして導入をサポートするサービス、こうした総合力が学校向けエアコンの導入は必要不可欠であり、三菱電機の強みでもある。
(取材:木村剛士、文:加藤学宏)