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人工衛星SATELLITE

ひまわり8・9号

「ひまわり8・9号」は、2015年に運用寿命を迎えた「ひまわり7号」の気象ミッションを引き継ぐ静止気象衛星です。ひまわり8・9号は、次世代の気象観測センサーを搭載し、解像度の向上や観測チャンネルの増加などによって、地球環境をより詳細に監視することができます。

納入先
気象庁
打ち上げ時期
8号:2014年10月7日
9号:2016年11月2日
打ち上げロケット
H-IIA
打ち上げ場所
種子島宇宙センター
軌道
静止軌道
質量
3.5トン(打ち上げ時)
電力
約2.6kW(静止軌道初期)
設計寿命
15年以上
当社担当
プライムコントラクター

日本の天気予報を支える衛星

私たちの暮らしに欠かせない日々の天気予報。三菱電機は、2015年に運用寿命を迎えたひまわり7号に続いて、ひまわり8・9号の開発を担当し、3機に亘って約20年間、日本の気象観測を担っています。また、アジア・太平洋の30以上の国や地域に観測データを提供し、日本だけでなく、多くの国の防災対応の一翼を担っています。

世界に先駆けて次世代観測センサーを搭載

ひまわり8・9号は、世界に先駆けて次世代の気象観測センサーを搭載しています。解像度の向上や観測チャンネルの増加などにより、気象現象や地球環境の監視を強化することができるだけでなく、宇宙からの撮像に要する所要時間を7号と比べて大幅に短縮し、最新の観測データを正確にスピーディに送ることができます。

国際競争入札に勝利した、DS2000

政府調達の実用衛星は国際競争入札が義務付けられています。ひまわり8・9号は、ひまわり7号で培った経験を活かし、さらなる信頼性の向上とコスト削減を図った上で提案を行い、受注に成功しました。通信・放送・観測など多くのミッションに対応できるDS2000標準バスで性能と共にコストダウンを実現させ、欧米に十分に対抗できる競争力を身につけました。

観測機能を強化した
三菱電機の「ひまわり8・9号」

私たちの暮らしに欠かせない日々の天気予報。現在、その情報は、三菱電機が開発した「ひまわり8号・9号」の観測データに基づいています。

8号・9号では、世界に先駆けて次世代の気象観測センサー(可視赤外放射計)を搭載し、解像度の向上、チャンネル数の増加などを実現。これにより、画像も白黒からカラーへ、静止衛星から見える範囲の観測時間も30分から10分へと短縮でき、地球環境をより詳細に、よりきめ細かく監視することができます。得られた観測データは、日本だけではなく、アジア・太平洋を含む30以上の国々に広く提供され、防災への貢献が期待されています。

ひまわり7号から9号では、標準衛星プラットフォーム「DS2000」を採用しています。「DS2000」は人工衛星の基本構成を同一の設計に標準化することで、低コスト、短納期、高信頼性を実現します。

ひまわり8号初画像

2014年10月7日に打上げられた「ひまわり8号」による初画像が12月18日に気象庁から公開されました。「ひまわり7号」と比べると画像はモノクロからカラーとなり、解像度は2倍になっています。気象庁は2015年7月7日から観測運用を開始しています。

※気象庁「ひまわり8号による初画像新しいウィンドウが開きます」を加工して作成
ひまわり8・9号による観測機能の向上

ひまわり8・9号では、次世代気象観測センサーを搭載し地球観測機能を強化。解像度や観測頻度、観測バンド(チャンネル)数が増加して、データ量は、現在の約50倍になります。

解像度が2倍

水平分解能が倍に強化され、よりきめ細かい画像を得ることができます。

©気象庁
地球全体の観測時間を30分から10分に短縮

「ひまわり7号」は、30分に1回の観測でしたが、「ひまわり8・9号」では10分に1回観測することができます。また、ひまわり8号から日本列島付近については2.5分に1回の間隔でも観測が可能になりました。さらに、画像の種類が約3倍になることで、これまでは白黒画像でしたが、「ひまわり8・9号」ではカラー画像の作成も可能になりました。

画像の種類が約3倍(5種類 → 16種類)
©気象庁
高性能な次世代気象観測センサーを搭載し、気象予報の高精度化に貢献ひまわり8号・9号
1アポジエンジン
ロケットから切り離された後、自力で静止軌道に移動するために使用する強力なエンジン。
2通信用アンテナ
地上との通信を行う大型アンテナ。可視赤外放射計により取得した観測データはこのアンテナにより地上に送信される。材料には炭素繊維を使用し軽量化を図っている。
3可視赤外放射計
気象観測データを取得するセンサー。ひまわり7号に比べて、観測バンド(チャンネル)数が増加し、解像度が向上するなど、性能が向上している。
4スター・トラッカー
恒星の位置を観測することにより、人工衛星の姿勢(向き)を把握する光学機器。この機器の情報をもとに、人工衛星の姿勢を制御する。
5スラスタ
衛星の姿勢制御や軌道の微修正などを行うエンジン。高温の「ヒドラジン」を噴射し、3軸で姿勢を変更することができる。
6熱放射面
太陽光により人工衛星は過酷な温度環境に晒される。衛星内部に蓄積された熱は、熱放射面より外部に放出される。
7太陽電池パネル
衛星が動作するのに必要な電力を発電する太陽光発電機器。ロケットにコンパクトに収納するため、折りたたんだ状態で打上げ、ロケットから分離後にバネを利用して展開する。
気象と航空管制の2つのミッションひまわり7号

気象観測データの収集と配信をする気象ミッションに加え、航空機の位置把握をするなどの航空管制ミッションを持つ多目的衛星。2010年より気象観測を開始し、2015年に運用寿命を迎えました。

データ比較
  ひまわり8・9号 ひまわり7号
打上げ 8号:2014年10月7日・9号:2016年11月2日
打上げロケット/H-ⅡA
衛星バス/DS2000
2006年2月18日(種子島宇宙センター)
打上げロケット/H-ⅡAロケット9号機
衛星バス/DS2000
構造 質量/約3,500kg(打上げ時)
全長/約8m(展開時)
質量/約4,650kg(打上げ時)
全長/約27m(展開時)
軌道 静止軌道(高度:約36,000km) 静止軌道(高度:約36,000km)
観測データの
地上送受信局
主局/埼玉県比企郡
副局/北海道江別市
主局/埼玉県比企郡
設計寿命 衛星バス:15年
観測ミッション:8年(並行観測を含む)
衛星バス:10年
観測ミッション:5年
性能比較 解像度 可視:0.5~1km
近赤外:1~2km
赤外:2km
可視:1km
近赤外: -
赤外:4km
観測頻度 フルディスク:10分毎
日本域:2.5分毎
機動観測域:2.5分毎
フルディスク:30分毎
日本域: -
機動観測域: -
バンド数 可視域:3種類(カラー合成可能)
近赤外域:3種類の画像
赤外域:10種類の画像
可視域:白黒画像
近赤外域:なし
赤外域:4種類の画像

当ページで使用している画像の著作権は、気象庁、三菱電機株式会社に帰属します。無断での使用や転載を禁止致します。

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