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実践すべきは価値をためて信用とすること お金100%でない時代に求められるウエットな関係実践すべきは価値をためて信用とすること お金100%でない時代に求められるウエットな関係

 1万円札に渋沢栄一が図柄となるなど、2024年7月3日、20年振りに新しい紙幣が発行される。その一方で、クレジットカード決済や電子マネーの発達によって、人々がお金に触れる頻度は圧倒的に減ってきた。お金自体が円やドルなどの国が発行されるものからビットコイン(Bitcoin)に代表されるような暗号資産などへと姿を変えており、お金をめぐっては現在、大転換点が来ているともいえる。一方で、年金の先行きが不安視され、また円の強みも薄れる中で、お金に対して不安を抱える人々は多い。
 多くの人々を惑わせるお金とは一体何なのか?「お金は信用を外部化したものに過ぎない」と、ブルー・マーリン・パートナーズ代表取締役の山口揚平氏は主張する。そのため、重要なことはお金をためることではなく、信用を積み上げていくことだと説く。山口氏に、お金の本質やお金と向き合うために必要な心構えなどについて聞いた。

お金は信用を外部化したもの

――山口さんがお書きになった『新しい時代のお金の教科書』(筑摩書房)では、「お金ってそもそもなんだろう?お金の未来はどうなるのか?」と問いかけられています。そもそも、この本をお書きになった動機を教えてください。

 私の育った環境が大きく影響していると思います。私は3人兄弟の2番目なのですが、兄は長男なので親がある程度お金をかけ、妹は初めての女の子なので蝶よ花よと可愛がられました。そうした中、次男の私はお金を含む親の愛情のかけられ方で、割を食って育ったように感じています(笑)。

 さらに、教育心理学の学位を取得していた母親が、教育は、「する」ものではなく「環境を作る」ものだという考え方を持っていました。例えば、私の育った実家の造り。私の実家はほぼ全ての部屋の南側に窓がありほとんど死角がない、引きこもりができないような造りになっていました。また、壁一面の本棚に、様々な本が揃っていました。このように、自然に集中力が高まって、知的好奇心をくすぐる環境が揃っていたのです。

 また、親は私に完成品を与えませんでした。例えば、ゲーム機が欲しいというと、パソコンと本を与えられ、ゲームは自分で作れというように。加えて、親が扶養するのは15歳まで、それ以降は各自が働いて高校なり大学なりに行くがよろしいという考えでした。

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